2012.06.15

6・14全員協議会で会派代表の意見表明

民主・みらいの野田富久です。

3・11福島を葬りさせてはいけない。決して忘れてはいけない!
この事故を顧みて、これからの原発政策や日本の進むべき道を定めるには、重くそして代えがたい教訓を与えてくれました。
いま、私たちに、人が価値観を見直し、また経済活動の基本理念や社会・政治への新たな価値や戦略を生み出す、貴重な機会を与えてくれました。
決して忘れることなく、真摯に取り組んでいかなければならないとの思いであります。

ここに、温かく差し伸べる言葉があります。
「私達の経験から学んでほしい。」これは、チェルノブイリ事故当時の非常事態省副大臣プリステル氏から私達日本人に向けられた言葉です。

私を含め、私たちの会派から3名、県内の議員総勢8名は、この4月、チェルノブイリ原発の調査を行いました。26年を経たチェルノブイリ原発事故で、現在、どのような放射能汚染対策が取られているのか、地域経済や人々の生活への影響はどう変わったのか、事故原発の管理処理はどうなるのか、などを目的として、8日間の調査を行ったのです。

事故原発から半径30キロ以内はベラルーシ、ウクライナ両国とも、将来にわたり居住強制禁止地区としており、その圏外でも、重点的な監視区域で特別な対策を講じていました。ベラルーシ共和国の北東で事故原発から250~350キロ離れた地域は、東京都の数倍に及ぶ面積区域でありますが、今なお木材や農作物・畜産物の移動禁止措置がとられていました。
ショッキングだったのは、子供たちの被ばく、また被ばくと推定されるガンなどの疾病です。社会主義国で事故直後、後強制的に避難させた地域であるのにもかかわらず、事故後4~5年後から急激に甲状せんがんの異常発症、26年の今日、甲状せんがんは平均的な発生率に収まったものの、白血病などは今なお20~30倍の平均発生率との報告を受け、ベラルーシのミンクスの訪れた小児病院では、健気な子供たちが坊主で治療している様子には気持ちが塞いだ。そして、行政や複数の関係者から課題と打ち明けられたのが、心の病気をもつ人たちがきわめて多く、医療対策をしているとのことだった。また、事故原発から4キロにあった原発従事者5万人の街、プリピャチも朽ち果て、数百と消えた町村が廃墟となった光景は見てとても虚しかった。

ところで、ご承知のとおり33年前の炉心溶融(メルトダウン)が起きたスリーマイル島原発事故後、アメリカではこの33年間新規の原発は作らなかったことを申しあげておきます。

では、3・11福島原発事故はどうだったでしょうか。
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、「福島原発事故については、設備が過酷な自然災害に対応できる設計になっていなかったことや、規制当局の監督体制、緊急事態への対応訓練などが不十分だった。」との見解を示しています。

東海村の村上達也村長は去る6月2日、越前市での講演で、「政府は、原発事故以降1年3か月になるが、新しい政策、体制が何一つ決められていない中で、再稼働にだけに走っている。この国は戦略的発想、思考を持っていない。大飯原発再稼働は、その場しのぎでなし崩し的といえる。東海村は、原子力研究開発から離れるわけではない。56年間の蓄積を新しい方向に転換する。経済的な価値だけではなく、文化的、社会的価値も追求しながら、原子力と向き合っていく。」と述べられした。
今回の福島原発事故で、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」やオフサイトセンターの機能不全で、何日もの間情報がないなど大混乱が発生し、放射能汚染が広がり、立地市町村の独自判断で避難せざるを得なかったという深刻な問題がありました。

また、この事故では、福島を超え、風評被害も含め被害の拡大は日本中に広がり、海外からの観光客やビジネスにまで影響を与えたことは周知の事実です。

本県では、原発立地に安全神話はないとの観点で、原発の安全対策に取り組んできました。敦賀1号機放射能漏えい事故、美浜2号機蒸気発生器細管破断事故、もんじゅナトリウム漏えい火災事故、美浜3号機2次系配管破損事故などに対処し、国への提言と県自らの安全対策を施してきました。それには全国最多22名の専門職員を配置し、原子力の技術的課題をチェックする福井県原子力安全専門委員会を設置、情報ネットワークでの原発情報の開示、事業者への要請や安全協定の締結など対応をしてきました。ここには、私ども議員も、議会審議で膨大な時間と労力を費やしてきました。

今回の全員協議会は、残念ながら、限られた極めて窮屈な審議時間となりました。審議や答弁は事実上困難な議会審議です。今ほど、わが会派の糀谷議員が嶺南若狭の赤裸々な実態を赤裸々に明らかにし、今後の脱原発依存社会への構築へ向けた課題を述べました。私は会派を代表し、安全性や防災対策についての提言や質問、意見を述べます。これらに対する知事の見識や答弁は、ここで求めません。大飯再稼働問題で知事が何らかの判断や動きをされる前に、県民に直接、そして誠実に説明・メッセージを送ることを約束していただき、審議に入ります。


知事が3・11以降、国に提言し、メッセージを求め、原発への対応を求めて、特に、この春以降、野田総理に対し、リーダーシップと国民への強いメッセージを求めてきました。その内容は、
①  原子力発電の意義と原発再稼働の必要性、 
②  福島事故の知見や教訓を反映した安全対策や安全基準。とりわけ、日本海側の地震・津波調査
③  原子力安全規制体制の見直し 
④  原子力防災計画・指針の見直しと体制 
⑤  使用済みの燃料の中間貯蔵は県外での見通し 
⑥  国が責任を持って関西圏の理解を得ること     などです。

こうした、知事の要請に対し、国がしっかりした対応をしていくのか、西川知事にはしっかりとチェックしていただきたいとおもいます。

原子力発電の意義と原発再稼働の必要性について、野田総理はこの8日、記者会見をし、「国の重要課題であるエネルギー安全保障の観点からも原発は重要な電源だ」「国民の生活を守るために、大飯発電所を再起動すべきだというのが私の判断だ」と述べられた。そして、国民が何より求める安全性については、「実質的に安全は確保されている。しかし、政府の安全判断の基準は暫定的なもの」とも述べています。

そこで、まず1点目の課題は、遅れていました原子力規制委員会の設置が国会の審議に入りましたが、速やかな設置を求め、かつ、委員会の独立性・公正性を保つためには職員を出身省庁に戻さないなど安全規制体制の再構築を求めます。
そして、現在調査中の福島原発事故調査会の調査結果で、地震による重要機器への損傷はなかったとの知見が示された際は、設置される原子力規制委員会で再度安全性の評価をし直すことを求めます。
また、高経年化対策の強化と40年を超える原発の廃炉とそのロードマップを作るが必要です。

2点目は、福島事故の知見や教訓を反映した安全対策や安全基準。とりわけ、日本海側の地震・津波調査についてであります。
今日まで福井県原子力安全専門委員会は国の審査をチェックする、いわゆる、ダブルチェックの機能を果たしてきました。それは、原子力安全保安院と原子力委員会のダブルチェックとの関係のように、第1次のストレステストの評価を求められ、斑目委員長は「1次の評価はしたが、それだけで、安全性を保証するものではない。」と述べていたこともあり、県の安全専門委員会は独自の安全調査をするなど、今回の一連の審査を踏まえ、一歩踏み込んだ機能を持たすことを提言します、

さて、熊川断層と二つの海底活断層が三連動した場合、機器への影響、大飯原発3、4号機の制御棒挿入時間が2.2秒をこえてしまい、早期にメルトダウンにいたる危険性があるのではないかとの指摘があります。
また、破砕帯は断層運動などで砕かれた岩石が帯状に延びたものですが、こうした破砕帯が、2号機
と3号機の間の地下を南北に通っています。変動地形学の研究者たちからは、「付近の活断層と同時に活動し、地表がずれる可能性があり、原子炉施設のずれ破壊の危険性を指摘しています。
こうした、指摘がある中、国会事故調査会において、地震等の評価で、福島第一の事故原因の一つが地震であったとの報告が出た場合などは、再度安全性を評価すべきです。

3点目に、原子力防災計画・指針の見直しと体制です。県の指針に、原発に安全神話はないとし、安全対策を徹底するならば、災害制圧道路の早期整備、原子力防災指針の早期見直しと原子力防災対策の充実強化は急がなければなりません。

県が国に求めています、住民避難の実態等の分析・評価の実施、EPZの見直し、PAZの検討は不可欠ですが、原子力安全委員会が示し防災計画に組み込まれますUPZ30キロの対策は喫緊の課題です。
現時点、福井県では従前の避難計画の基づくEPZ5~8キロを避難対策区域としており、現行の計画対策では、事故時の混乱と不安を残します。また、準立地地域での原発安全協定の見直しは避けて通れません。
また、国は未だ方針を出しきっていないのが、SPEEDI(スピーディ)の認識と活用です。
現行の原子力防災指針では、「スピーディの情報や事故状況などを基に、50ミリ・シーベルト以上の被曝ひばくが予測される場合に、避難指示を出す」となっていますが、福島事故では実際の住民の避難指示には活用されず、このことが、放射能汚染での被ばくで大きな問題となったのです。

しかし、内閣府原子力安全委員会の作業部会は、原発事故で住民の避難判断をする際、放射性物質拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」は信頼性が低いため使わず、実測した放射線量などをもとに判断するという見直し案を打ち出しました。

ところが、政府の福島原発事故調査・検証委員会の中間報告書(昨年12月)では、「予測情報が提供されていれば、より適切な避難経路などを選ぶことができた」との認識であります。

現行の防災指針と政府事故調査・検証委員会はスピーディの必要性、活用策の認識があるものの、内閣府原子力安全委員会は信頼性が低いとして、採用しないとの認識です。国民の生命・安全を守る立場から、スピィーディーの採用、公表を前提とした、国の一致した認識と施策で速やかな対応が求められます。

4点目に、使用済み燃料の管理・中間貯蔵の今後の見通しです。
これは原子力政策大綱の見直しと連動するものです。国は「脱原発依存」の方向を示していますが、エネルギー長期計画や原子力政策大綱、さらに、核燃料サイクル政策についても見直しは審議ちゅうであります。が、いずれにせよ、この使用済み燃料の搬出、中間貯蔵は、滞ることなく事業者の責任において速やかな方向付けとその対応をされるべきものです。事業者は電力消費地と一体となった検討体制を構築すべく、西川知事はこのことを事業者や国にしっかりと働きかけるべきです。


さて、国への要請もさることながら、県自身が取り組むべき喫緊の課題があります。

速やかに原子力防災計画の見直しと実効性ある防災訓練の実施に取り組むべきです。
佐賀県の玄海原発に対応して、佐賀県と長崎県は福島原発事故を受けての強化拡充した防災訓練を行
い、能登原発に対応し、石川、富山の両県は 緊急防護措置区域(UPZ)30キロに対応した防災
対策の協議に入りました。

残念ながら、本県の場合、今年3月18日、敦賀市で原子力防災訓練を行ったものの、福島原発事
故前の防災対象エリアEPZ区域3~8キロを対象とした訓練でした。また、避難先は県内の想定に留まり、敦賀市から30キロ圏内である鯖江市、越前市への避難計画にとどまっています。
西川知事は福島原発の知見を国に求めてきました。そのことは同時に、県自身が福島原発事故に対応した、緊急防護措置区域(UPZ)30キロエリアを対象とした防災体制とその対策や実効性ある訓練を行うべきです。それには、京都・滋賀など近隣府県との連絡体制の整備・充実を図るべく、速やかな協議が待たれます。県民の生命と財産を守る観点から、国への提言や要請はやっていただかなければなりません。が、同時に、我が福井県が福島原発事故に学び、「原発に安全はない」との観点で原発の安全対策に取り組むならば、県の役割であります防災対策は一層充実しなければなりません。県の原子力防災計画は抜本的な見直しとそれに沿った対策が図られてしかるべきです。
これ以外に、次の点についても対策を講じるべきです。
* 住民に迅速に情報を伝えるため、市町村防災行政無線や広報車など情報伝達手段の「多重 化」を図る。放射性物質拡散予測システム、すなわち「SPEEDI(スピーディ)」の情報提供は明らかにする。
* 放射線医療の治療とそのネットワークさらに研究体制を確立する。
また、住民への放射線医療の治療支援対策を確立する。
万一の事態に備え、移動式のホールボディーカウンター車の導入配備をする。
* 緊急防護措置区域(UPZ)30キロには安定ヨウ素剤を即座に服用できる緊急配備、服用体制をとる。
* 緊急避難事態が発生した際、陸路での避難が困難であることも想定されます。そのため海上避難は有効な手段ともなり、船舶の手立てが前提となります。そこで、漁協(船主など)、海上保安庁、海上自衛隊地の緊急避難支援受け入れ体制と協定を確立する。

以上、原発の安全性を確保するための課題と提言を述べました。
わが会派は、これらのさらなる調査と知見、国の対策、県の防災対策や我が会派糀谷議員も提言指摘しました嶺南若狭の産業雇用、自治体への対応策など、課題が多々あります。
西川知事には、これらを慎重の上にも慎重に検討されますようお願いいたします。
そして、冒頭にも申し上げましたが、知事の見識や答弁は、大飯再稼働問題で知事が何らかの判断や動きをされる前に、県民に直接、そして誠実に説明・メッセージを送ることを求めますが、知事にはその答弁、イエスかノーで返答いただいて、会派の意見と提言に代えます。