2012.09.27

9月議会 一般質問を掲載。

 民主・みらいの野田富久です。当面の課題と今議会に付託された事案に関連し、提言と質問を行います。 
 まず、原発関連です。
広島、長崎では数十万人にも及ぶ被爆犠牲者を出しました。
アメリカは、スリーマイル島原発事故以来、今日まで原発を建設することはありませんでした。
旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は多くの犠牲者を出し、永久居住禁止など未来永劫にわたる問題を今なお引きずっています。
そして、昨年の福島第一原発事故です。
原発は工学及び技術、人的管理、システム管理、自然要因、これらの複合的要因で、潜在的危険性が常にあり、ひとたび過酷な事故が起これば、人類と自然界にとって最も深刻で悲惨な事態を引き起こします。
 3・11福島原発事故は私たちに問いかけています。
 知事は3・11原発事故をどのように受け止めておられるのか伺いますとともに、3・11で知事自身、価値観や倫理観に変化があったのか見識を伺います。
 この間、西川知事には、原発推進を求めるあまり、少し強引とも思える言動を感じます。一方では、県民に応えるべき対策が なおざりではないかと指摘せざるを得ません。
 昨年10月、防災対策を重点的に実施すべき地域の範囲(EPZ)の見直し作業を進めていた国の原子力安全委員会に対し、県は「拡大された地域が危険視されてしまう。」との懸念を文書で示し、さらに、範囲拡大に伴い、事業者と新たな安全協定を結ぶ自治体が増えることにも言及し、「EPZの範囲が広がると安全対策の面でも地方の負担が増える」と強調していたことが、先日マスコミで明らかにされました。
 また、知事はこれまで「福井と隣接府県ではリスクや安全に対する努力、歴史が違う。」などと繰り返し発言され、防災対策を重点的に実施する区域の範囲拡大に異議を唱えられているようにも見受けられます。また、議会から隣接府県との防災避難の協議を求める提言が繰り返しあったにもかかわらず、一貫して、国が指針を示し調整するものとして、県自身、精力的な対応協議を行って来ませんでした。
 これらから思うに、知事は原発推進の諸要請や言動が見受けられる一方、大局的見地に立った県民の安全を第一義的に考えておられるのか、甚だ疑問です。この指摘について知事の見解を伺います。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は就任の記者会見で、運転期間が40年を超えた原発の運転を延長することに「相当困難ではないか」との認識を示すとともに、再稼働の重要な条件として、重大事故が起きても住民を被爆から守れるよう、防災区域の設定やモニタリングも含めた地域防災体制が整っていることを加えると述べました。
 また、先の政府の中央防災会議では、原子力の災害対策の強化を柱とする防災基本計画の修正を決めたとのことです。その修正は、
スピーディーを情報公開し住民避難に活用していく。
自治体の判断で安定ヨウ素剤の服用指示を可能にする。
複合災害や過酷事故を想定した実践的訓練を求める。
これらを決定したのであります。
 この修正を受け、原発周辺の自治体は来年3月までに地域防災計画をつくることが求められ、計画策定の対象は従来の8~10キロから30キロに拡大し、本県の場合、滋賀などが加えられます。報道によれば、関係する自治体の作業が連動しないと、次の原発再稼動を判断できないとの見通しです。
 すでに、石川県では30キロ圏内の富山県含めた各自治体との協議を始めています。ましてや、大飯原発が再稼働している本県では、ことさら、暫定的にでも地域防災計画の見直しをすべきです。
 県は、暫定的にでも地域防災計画を策定し、それに基づく実践的な訓練を行うべきと考えますが、所見を伺うとともに、取り組むとするならば今後の工程や策定目途、訓練の見通しを伺います。

次に、第3次行財政改革に関連し、何点か質問します。
 この改革の主要な柱に職員削減を挙げています。確かに、平成10年、3,608人の職員は、平成23年には2,873人へ、20%強の職員を削減してきました。その実績は全国最少人員の水準と県は評価しています。そして、第3次改革では更に3%の削減目標を掲げています。
 では、削減した結果、現状はどのような事態を引き起こしているでしょうか。
県の安全衛生委員会での報告によれば、長期にわたる休暇を取った精神疾患 患者は改革前の平成14年が15名であったものが、17年度は37名と大幅に増え、22年度34名、23年度は32名と、職員比率からすれば3倍もの罹患率です。この精神疾患の増大は、業務に一層の負担と責任がのしかかったことも要因と推察されます。
 また、業務を補完するために、アルバイトの大量採用を行なっています。知事部局で、400人を超えるアルバイトが雇用されています。ところで、アルバイトといえど、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法などの労働関連法が順守されるべきです。最低賃金法に基づき、今年10月6日には本県の最低賃金が時間690円と改定されます。県のアルバイト賃金はここ数年1日5500円の据え置きで、最低賃金に近い賃金で雇用している現状です。
 こうした職員の労働環境にあってもなお、第3次行財政改革に基づき、更なる職員の削減を行うのか、伺います。
 また、メンタルヘルスおよびアルバイトの厳しい実態の現況をどのように認識し、今後どのような対応をされるのか伺います。

 次に財政健全化について伺います。
 2011年度末の県債残高は、8863億円で過去最高を更新しました。ただ、県は地方交付税に当たる臨時財政対策債(赤字地方債)を除くと、実質的には6122億円で、前年度に比べ216億円の減少だと説明しています。
 ところで、地方交付税制度の原資は、所得・法人・酒税と消費税、たばこ税の一定割合ですが、90年代からこれら税収は先細りするばかりです。一方、各自治体の予算は税収減にあわせて減ることはなく、ほぼ同じ水準で推移しています。
 結果、原資不足に追い込まれ、「交付税及び 譲与税配当金 特別会計」、いわゆる交付税特別会計で借金をして交付を繰り返し、自治体の借金は特別会計を通じて先送りし、最後は自治体にツケが回ってくるシステムです。これは、「建前の帳尻合わせ。」であります。
 小泉政権時の三位一体改革は地方交付税の5.1兆円減など財政力の弱い自治体を直撃して以降、地方は疲弊の一途を辿ってきました。民主党政権になって、平成22年度大幅な税収減にあっても地方交付税を1.1兆円増額し、臨時財政対策債と合わせた地方交付税を3.6兆円の増額をし、「ひもつき補助金」の廃止と一括交付金化への政策転換を図ってきました。
 さて、こうした経緯はありますが、県の実質公債費比率は17・5%であり、前年度比2・1ポイント悪化しています。これは、起債発行に国の許可が必要になる起債許可団体への転落水準 18%に迫っています。
 今後、北陸新幹線、九頭竜川パイプライン、足羽川ダム、旧林業公社、国体開催、数百億とも目算される県庁移転などの起債は避けられません。
こうした大規模公共事業やプロジェクトの大まかなスケジュールと償還の概要を伺うとともに、今後の財政運営の指針について見識を伺います。

次に医療行政についてであります。
 まず、看護士の確保についてですが、今年4月、法の改正では、自治体の責務として看護師の育成を求めていることは、承知のことでしょう。
 敦賀市では、平成26年4月の開学を目標に50人の「敦賀市立看護大学」設置することとしており、時宜を得た取り組みです。また、先の代表質問では、理事者は地域医療計画の改訂において在宅医療を主要な柱とし、訪問看護師などの育成を認識した答弁を行いました。
 看護師育成は類似他県が1100人から1300名の育成を行っているにもかかわらず、本県はその3分の1程度、年間395名の育成にとどまり、そのことが県内で厳しい看護師不足にあることを私は何度か指摘してきました。
 中堅病院の病院長や県医師会のある役員はこのままでは、地域医療、訪問看護どころか、病院の労務倒産が出てきてもおかしくないと、窮状を訴えておられました。
ここで、改めて県は看護師育成に取り組む意思があるのか、専門学校や大学等の入学定数枠拡大に取り組む意思があるのか伺います。
 今議会では、議会の議決を得るべく福井県立大学の中期目標が提案されています。医療福祉の現況と将来の需要逼迫を考えるならば、この中期目標に県立大学看護学科の増員が提言されるべきです。
知事が定めますこの中期目標に看護学科定数増員を盛り込むことを求めますが、知事の見識を伺います?
 次に県立病院について触れます。
 病院では、平成21年7月に策定された「福井県立病院経営改革プラン」の目標を達成すべく、経営改善等の取組みを進めてきました。
その取組みには、外部の有識者や県民代表等からなる「福井 県立病院 経営評価委員会」を設置し、毎年度、改革プランの進捗状況を評価・検証してきました。23年度の全体評価では、「第3次救急医療、がん医療、地域医療支援さらに医療収益と経費削減、経営形態の検討など、基幹病院としての役割を果たしている。経営的には資金収支、経常収支比率はプラン目標を上回り、改善が図られている。」とのことです。
 更に、委員の主な意見として、「病床利用率が低い状況なら病床数を減らして7:1看護体制を導入する考えもある。」との指摘もありました。このことは、厳しい看護条件や経営改善を指摘しているのであります。
 私は、患者の安心医療、看護師の過密労働解消、経営改善の観点から、7:1看護体制の導入を行い、ベッド数の削減でなく、看護師の増員を再三提言してきました。
昨今、関係部局間で本格的な検討を行い、ほぼ方向性が出たと仄聞します。導入への現状と導入時期の見通しを伺います。
 また、代表質問では県立病院の「独立 行政法人化」の検討を求める質疑が有りました。これに理事者は、自立性が高まる一方、財務・人事面での課題、政策医療への対応、基幹病院としての役割など、いろいろな観点から検討していくとの認識が示されました。 
 ところで、「福井 県立病院 経営評価委員会」の主な意見の中で、経営形態に触れ、「全国的に見ると独立行政法人化した病院について、必ずしも経営的な面での効果は見られない。独法化のメリットは、職員の意識の変化というが、職員の意識改革は、独法化しなくても可能である。」との判断が示されています。
 私たちは6年前、県立大学を独法化しましたが、そこでは莫大な財産や研究施設、文化研究や教育の価値まで手放しました。その結果、教官のモチベーションは思うほど上がらず、大学と議会や県民との距離が開いたとの感を拭いきれません。
 こうしたことを踏まえるならば、県立病院が高度医療の中核、政策医療を推進する本県の基幹病院として、県が引き続き運営すべきと考えますが所見を伺います。

福井国体開催へ向けた福井運動公園施設の整備案が今般示されました。
 この整備案は個々の施設について対応しているものの、全体的な公園のレイアウト、コンセプトのあり方については検討されていません。国体開催を機会に抜本的検討を行うべきでしょう。
 老朽化した教育研究所、今日のニーズに応えきれず利用者も激減している青少年センター、子供たちの姿を見ることのない少年運動公園、これらの施設は将来の目的とニーズに応えるべき施設とし、移転も含めた検討が速やかになされるべきです。そして、運動公園はこれらの施設の敷地も含めたレイアウトのもと、諸施設の機能を十分発揮できる空間と全体の改修整備を行うべきと提言します。
 教育研究所、青少年センター、少年運動公園の移転改築についての見解を伺うとともに、この機会にこれら3施設を含め運動公園エリア全体のレイアウトの見直しを行うべきと考えますが、所見を伺います。

 ロンドンでのパラリンピックでは、アテネ、北京大会で計七つのメダルを獲得した福井市の車いす陸上競技、高田稔浩(としひろ)さんのご健闘がありました。
 さて、平成30年福井国体後に開催予定の全国障害者スポーツ大会について伺います。国体の直後に開催される全国障害者スポーツ大会は、障害のある人々の社会参加の推進や国民の障害のある人々に対する理解を深めることを目的とし、今日では身体・知的・精神の障がいのある方が一体となって行うスポーツの祭典となりました。
 残念ながら、障害者の人たちのスポーツ競技を行うための、指導者、インストラクターが決定的に不足していることを関係者から聞きました。
この大会において、本県選手団がより多く参加し、優秀な成績を収めることができるよう、障害者スポーツにおける指導者の育成確保が必要と考えますが、所見と対応を伺います。
 さて、千葉県、山口県など最近の大会を見てみますと、正式競技13種目の競技が3日間にわたり開催されます。そこには、
参加選手数約3,300人、
大会運営ボランティア3,000人、
情報支援ボランティア700人、
選手団担当ボランティア900人など県内外のボランティア4,600人が参加されています。関係者だけでも10,000人にも及ぶ大会です。 
 この大会で大きな意義を持つのは障害者の社会参加でありますが、併せて多くのボランティアが参加し支援することです。
 例えば、昨年の山口大会では、情報支援ボランティアで手話通訳が499人、手書き要約筆記が212人、パソコン要約筆記が49人でした。本県の場合、24年4月現在、手話通訳者は158名、要約筆記者は僅か65名しか登録されていません。実にお寒い限りです。
 ボランティア養成は急務です。今後5年間で手話150名、要約筆記200名のボランティアを養成しなければなりません。これは並大抵のことでは確保できません。
障害者の社会参加を進めるためにも、この際、ボランティア活動の核として活躍できるよう人材養成を図るべきですが、今後の取り組みを伺います。